劔岳 点の記 鑑賞日記
自分の生活に、
想像しうる最大級の変化がたとえ起こったとしても、
多分、ないだろうなぁ〜
という体験や、景色ってものがあるものです。
映画の魅力の一つに、そんな体験を
疑似体験させてくれる事が有ります。

“劔岳 点の記” はまさにソレ系の映画でした。
新田次郎の原作を料理したのは、
世界のクロサワの右腕、
名カメラマン 木村大作。
2年をかけて作り上げた、渾身の作品です。
日頃、CGを駆使した脂ギトギト系の映像に慣れてしまった目には、
命を掛けて挑んだものだけが得る事ができる
100%天然塩のみ使用の映像は、
美しく厳しい自然を見事に映し出しているのです。
「こりゃ、すげ〜」

そんな映像に加え
官(軍) と 民(山岳会)を対比させた、
メッセージがズシリと効いているのです。
近代化が進んだ山岳会の装備に比べ、
マイナス40度の世界へ挑むとは到底おもえない、
柴崎(浅野忠信)たち調査隊の姿は、
浮世絵(江戸時代)の世界と同じなんですよ、
この、旧式で効率の悪い官へのアンチテーゼに映ります。
さらには、、、
劔岳登頂の目的を忘れ、
メンツの為だけに先を争う、軍上層部と山岳会の姿は、
マネーゲームへ奔走する現代社会への警告に重なるのです。
人工甘味料と脂ギトギトで体調を崩した
あなたの感性に喝を入れてくれる、
100%天然素材映画。いかがでしょうか?
監督・撮影:木村大作
原作:新田次郎
キャスト:浅野忠信、香川照之、松田龍平、モロ師岡、蛍雪次朗、仁科貴、蟹江一平、仲村トオル、小市慢太郎、安藤彰則、橋本一郎、本田大輔、宮崎あおい、小澤征悦、新井浩文、鈴木砂羽、笹野高史、石橋蓮司、國村隼、井川比佐志、夏八木勲、役所広司
製作:坂上順、亀山千広
プロデューサー:菊池淳夫、長坂勉、角田朝雄、松崎薫、稲葉直人
脚本:木村大作、菊池淳夫、宮村敏正
美術:福澤勝広、若松孝市
編集:板垣恵一
音楽:池辺晋一郎
製作国:2009年日本映画
上映時間:2時間19分
配給:東映
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コメント
新田次郎のオールドフアンとして予見を以って観ました。当初は木村大作氏の事前饒舌ぶりに辟易してましたが、明治社会の虚像描写をはじめとする人間模様の自然なタッチ、香川照之さんの品のいいパフォーマンスに助けられて、観賞後感は大変良かったです。藤沢周平の”蝉しぐれ”程の画像感動ではありませんでしたが、時間を掛けた自然な会話の出来上がりと時代を超えた人間タッチが新田次郎の作品らしかったと思いました。
家内共々、教養と品格のある俳優・香川照之さんの今後の大成を今回改めて祈りました。
投稿: 菅澤 幸雄 | 2009年7月 8日 (水) 11時24分
>菅澤さん
コメントありがとうございます。
世田谷Pampも、香川さん大好きな俳優さんです。
これからも“すばらしい映画に香川さんあり”との評判を数多く聞く事が出来そうで、楽しみですね。
蝉しぐれ、見る機会を逸したままでしたので、早速見てみたいと思います。本当は映画館で見たいですが,先ずはDVDですね。
投稿: 世田谷Pamp | 2009年7月 9日 (木) 06時04分